「お受験・アメリカーン」

「Sちゃんは受験生だからこられないって」
久しぶりの日本での親族との会に姪っ子のSちゃんは、
そういうわけでこなかった。
「ジュケンセーってなに?」
同い年の我が娘その1が聞く。
「Sちゃんは、来年高校受験しなきゃならないのよ」
「ふーん」
「わたしは?」
「あんたも」
「ふーん」

なんて対照的な受験生!
ジャパニーズ受験生のSちゃんは毎晩遅くまで塾に通い勉強一筋。アメリカン受験生の娘その1は毎日バスケットボールやバレーボールの練習にあけくれ、学校の宿題をこなすだけ。な~んにも特別なことをしていない。

だけど、アメリカンお受験はそんなんでいいんだな。

アメリカの公立高校は地元っ子なら誰でも通える。
海外からの留学生などを受け入れやすいのもホストファミリーがいればその学区の学校へ自動的に入学できるからだ。
なので受験をしなくちゃならないのは私立の学校。
(稀に特別なプログラムを持つ公立校にテストや抽選があるが)
我が娘その1も公立高校でよければ何もしなくてもいいのだけれど、昨今の教育費予算削減による教育の質の低下と、レベルもぴんきりの生徒が集うマンモス高校ではちょとな~ってことで私立高校を目指している。



「男の子との出会いなら放課後いくらでもあるわよ~」だって。女子高のカタログ

アメリカの高校お受験ってこんなかんじ。
受験生(8年生)は、自分が興味のある学校に体験入学をさせてもらう。
高校側はエスコートの生徒を任命し、受験生は一日エスコート係にくっついて授業を受ける。受験生自身が学校の様子をナマ体験し、自分に合った高校かどうか見極めるのだ。
そして願書締め切りまでに全国共通テスト ISEE を受ける。
(4年生から12年生までが私学を受験するときに受ける学年別テスト)
アメリカ大学受験にはSATというテストがあるが、それと同じ方式で通年各地で開催されていて好きな時に受けておけばいい。テストの傾向と対策本なんかもあるけど、一応1冊買ってちらちらとページをめくっただけだったなあ、うちの娘その1も友人達も。
このテストの結果と学校の成績と内申書とスポーツとかコミュ二ティーサービスとかやってた!って自慢話と、エッセイを書いて郵送すればお受験完了である。
あとは、寝て1ヶ月待つのみ。

こんだけ~
だけど、面倒くさいのは、エッセイである。
受験生だけではなく、親も書かなきゃならない。
受験生向けのお題には、
「なんでうちへ来たいかいってみろ」って簡単なところから
「思うように事が進まなかった時どうやって不満を解消した?」
「大人と折り合いが悪かった時、その理由はなんだった?それはあなたにどんな影響を与えた?」
「「この仕事はわたしに向いているとは思わなかった・・・」ではじまる文章を書け」
なんて心理テストのようなものが。

親には、
「子供の資質で喜ばしいと思うことについて語れ」
「過去2年間で一番大変だった学業、課外活動のチャレンジとは?」
「我が校にあなたの子供は何をもたらしてくれるか?」
なんてお題で長い作文を1校につき3つも4つも書かされるのである。
ひええええ・・・なのである。
英語だよ、英語。あたりまえだけど。

アメリカの学校は、テストの成績だけでは生徒を選ばない。
キーワードは、”DIVERSITY(多様性。いろいろぐじゃぐじゃ~!)”。
秀才も欲しいが、アスリートも欲しいし、善意にあふれる少年少女も欲しい。
そして金持ちも貧乏人も白人も黒人もアラブ人もヒスパニックもアジア人もいろんな肌の色の個性あふれたメンツが欲しいのである。それが学校の懐の広さを世間にしらしめ学校の自慢になるのだ。

「わたしゃ半分日本人でよかったよ」
娘その1はいう。
「みっちり日本語も勉強しといてよかっただろ!」
わたしもいばる。
見た目はアジア人でも祖国の言葉も文化も知らないアジア系アメリカンが多い。だから「バイリンガル&バイカルチャー」は、お受験には有利!DIVERSITY好きのアメリカの学校にはよく効くのである。

私学は高い。
しかし、金持ちばっかり集めてもDIVERSITYにならん!!ので、
私立の学校はどこでもファイナンシャル・エイドを用意している。
貧乏だってやる気があれば道は開ける!!のがアメリカの私立の学校でもある。

たとえば、いま娘その1が通っている私立の幼稚園から8年生まで一環教育の私学では、
こんなふうなファイナンシャル・エイドのガイドラインがある。

(授業料学年平均19000ドル)
収入          ファイナンシャル・エイド
$0-25,000 ————- $14,000-19,000
$25,001-50,000 ——$11,000-18,000
$50,001-75,000 ——$ 9,000-18,000
$75,001-100,000 ——$7,000-16,000
Over $100,000———$2,000-16,000

結構、もらえるでしょ?
たとえば、収入が10万ドル以上でも兄弟が何人もいるとか大学生がいるとか(もっとお金がかかる!)両親が年とってたりするとかいろいろな要素を考慮して計算してくれるのだ。娘その1の友人は、両親共働きで結構稼いでいそうだけどお兄ちゃんがふたり大学生だからってことでほとんどただで学校に通っているもんね。

とまあ、こういうふうに私学は幼稚園だろうが小中高だろうが学びたい!という家族には門戸を開いているのだ。
日本にはないよねえ、慶応の幼稚舎でファイナンシャル・エイドなんかないでしょ?
こういうところは日本の教育機関にも見習ってもらいたいものだが、
正規の学費は鼻血が吹き出るほど高いのがアメリカの学校の難点でもある。

シアトルの私立高校の最高峰、ビル・ゲイツの母校でもある レイクサイドスクール の学費は、
2010年度年間25000ドルを超えている。

落ち着いたレンガの校舎。
敷地も広くて大学みたいなキャンパスを誇るビル・ゲイツの母校!

しかし、「そ、そんなの払えないよ~」と受験する前にあきらめてはいけない。
この学校は莫大なファイナンシャル・エイドの準備があることでも有名なのだ。
毎年3割の学生が合計400万ドル(1ドル85円で3億4000万円)の援助を受けているのだ。
「やる気のある生徒なら誰でも受け入れる準備はある!」と学校は公言している。
だからお迎えにくるクルマにベンツもあればポンコツカーもある。
それでなんの違和感もないのだ。こちらの私立の学校では。

レイクサイドのウエッブサイトで
いくらファイナンシャル・エイドがもらえそうか計算してくれるからやってみて。実際は、もっといろいろな要素が考慮されるけどね。

そんなこんなのアメリカ高校受験。
実際に受験を体験して思ったことは、
受験生は学校の評判よりも自分のラーニング・スタイルにあった学校かということを最優先して学校を選んでいる。
大学つきの高校なんてないから(聞いたことないからないとおもう)いい大学に進めるようちゃんと学べる環境を選ぶことが一番だから。
そして学校はテストの結果だけで生徒を選ばないから、がむしゃらにテスト勉強する!といった日本やほかのアジア諸国のような受験生は生まれないのだ。
これは大学受験にもいえることだけど、いい学校に入りたかったらスポーツをしてボランティアをして
授業でいっぱい発言して学校の成績をよくし、文武両道の優等生でいることのほうが大事なのだな。
それって理想、というか本来あたりまえのことだよね。

日本の受験との違いは、エッセイ。
アメリカの高校受験は、テストはちゃらいが書くのがしんどい。
自分と見つめ合い、「自分はこういう志を持ったもんです!」と自己PRをする場なんだな。
そんでもって親も
「うちの子はこういうすばらしい子供です!」
「わたしたちの教育に対する価値観はこういうことです!」
と、こどもの教育に真剣だということと志望校の環境になじみ貢献します!
という態度をはっきり提示する場なのですな。
だから親も子も夜なべして必死にエッセイを書きまくるのであります。

書くのは好きだが英語はきらいなわたしと、英語は上手だが文才のない亭主と、
頭をつきあわせ、あ~でもない。こ~でもないと深夜の共同作業。

結果はどうなるのか。
1ヵ月後が楽しみである。

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